Q 先日父が亡くなり四十九日も過ぎて相続手続きに入りました。相続人は母と
弟と私の3人です。
知り合いの税理士さんにお願いして財産目録を作成してもらい、遺産分割協
議をして、遺産分割協議書を作成してもらいましたが、すべての財産が記載さ
れているため、銀行預金の名義変更の時に、他の銀行の預金も知られてしまい
ます。他の財産は知られたくないのですがどうすればいいでしょうか?
A 遺産分割協議書を複数に分けて作成することも可能です。
通常はすべての財産・債務を一つの分割協議書に記載して税務申告や名義変
更に利用しますが、弊害がある場合には、協議書そのものを複数に分けて作成
することも可能です。
また、それぞれの銀行には、その銀行専用の名義変更用紙がありますので、
相続人全員がそれに記載して実印を押し、印鑑証明を添付すれば名義変更でき
ます。
その時には、除籍謄本、改製原戸籍、相続人の戸籍謄本が必要です。預金の
名義変更だけでなく、土地や建物の名義変更の際には上記の3点セットが必要
ですので忘れずにお持ちください。
上記3点セットは市役所で発行してもらえますが、高額になりますので銀行
等に持って行ったときは、先方でコピーをしてもらい、原本は返してもらって
ください。
戸籍謄本
結婚すると、夫婦は今までに入籍していた親の戸籍から出て、夫婦で新しい戸籍
を編成します。祖父母や両親と同じ戸籍に編成されることはありません。
除籍謄本
結婚や死亡などで戸籍に入籍していたものが、その戸籍から抜けた場合に、戸籍
簿から外し別にして保存しているもの。
改製原戸籍
戸籍法の改正によって新しい様式に戸籍が書き換えられた場合の古い戸籍のこ
と。
戸籍簿は、時代の流れにより縦書きが横書きになったり、家単位から家族単位に
変わったりいろいろ変化しています。婚姻や死亡などにより除籍された人がいた
場合、新しく作り替えた戸籍簿には、過去に除籍された人は記載されませんの
で、戸籍謄本だけでは正確な相続人を確定することができません。
そこで、改製原戸籍を取得し、被相続人の出生から死亡までの連続した戸籍を揃
える必要があります。