Q 先日、保険会社の方に生命保険は、「総合的な相続対策として、たくさんの
方が加入されています。」と言われましたがどういうことでしょうか?
A 生命保険の死亡保険金は、節税対策、遺言の代わりの対策、納税資金の確保
に利用されています。
① 節税対策としての生命保険金の利用
死亡保険金には非課税枠(500万円×法定相続人数)があります。仮に銀行預金5
000万円あった場合は5000万円に対して相続税がかかってきますが、生命保険
金ですと、妻と子供二人のケースであれば500万円×3人=1500万円が非課税と
なりますので3500万円に対して相続税がかかることになります。これが一番の
メリットです。
② お金に宛名を付けることができます。
死亡保険金は、受取人固有の財産であるため、遺産分割協議の対象外です。契
約者が死亡保険金をあらかじめ指定しておくことがお金に宛名を付けることがで
きます。
「将来誰がどれだけ受け取るか」を決めておくことができ、遺言書の代わりに利
用できます。
③ 納税資金や代償分割(相続人のうち特定の者が遺産の全部または一部を取
得し、他の相続人は遺産の取得に変えて、その特定の者から現金または預金を受
け取る方法)の資金の準備に利用できます。
被相続人(被保険者)が万一の場合に保険金を請求すれば、指定された受取人に
速やかに保険金が支払われます。銀行預金のように分割協議が終わるまで凍結さ
れることはありません。
遺産分割で揉めて未分割の場合でも10か月以内に相続税の申告書を提出し相続
税額の納付が必要になります。その時のためにもまとまったお金が必要です。ま
た、遺産のほとんどが土地や建物のように分割できないような時に代償分割(遺
産分割の時に特定の人が土地などを相続し、相続した人が相続財産の代わりに他
の相続人に対してお金などを渡す方法)により分割する場合があります。その場
合の代償分割としてのお金の準備をすることができます。
まとまったお金がある場合は、一時金払い終身保険に加入し、保険会社に預け
ておくことができますが、まとまったお金がない場合は、月々保険料を払わなけ
ればなりません。
生命保険は、若いうちに加入しないと保険料が高くなりますし、加入の年齢制
限もあります。なので若いうちからの準備をおすすめします。