Q 父が5年前に亡くなり、母も85歳で少し体も弱くなってきています。もし母
が亡くなったときの相続税や遺産分割で揉めないか心配です。何か対策をし
ておかないといけないと思っています。相続人は、私と妹2人の合計3人で
す。
A 相続対策には、①遺産分割の対策(争続の対策)、②相続税の対策、③相続税
がかかる場合の納税資金の対策があります。
① 争続の対策
・遺言を残しておく
・生前贈与であらかじめ分割をしておく
・生命保険をかけて受取人を指定しておく
② 相続税対策
すぐできる相続税対策
・養子縁組をして相続人を増やす
・贈与税の配偶者控除を使って生前贈与をしておく
・教育資金等の贈与税非課税を利用して生前贈与をしておく
・非課税になる墓・祭具等にお金を使っておく
こまめにする相続税対策
・110万円の基礎控除を利用して生前に暦年贈与をしておく
不動産を利用した相続税対策
・収益物件(アパート等)を相続時精算課税制度を使って生前贈与して家賃収入を子などに移しておく
・アパート等を建築して土地の評価額を下げておく
・不動産管理会社を設立して所得の分散をしておく
会社のオーナーがする相続税対策
・会社への貸付金がある場合は、なるべく貸付金を減らしておく
・自社株を持っている場合は、自社株の評価を下げて生前贈与をしておく
③ 納税資金の対策
・生命保険を利用して納税資金を確保しておく
兄弟姉妹の仲が良くてもいざ相続になるとその配偶者や子どもが大応援団に
なって遺産の争奪戦になることもしばしばあります。
まず、相続対策は、被相続人(今回の事例であればお母様)の財産がどれくらい
あるかを調べることから始まります。
次に、被相続人が、遺言で自分の財産を誰にどのように相続してほしいかを決
めておけば争いをなくすことができます。
さらに、相続税がどれくらいかかるのかを計算しておくことも大切です。
そして、相続税が発生する場合に納税資金をどうするかということも考えてお
く必要があります。
これらを順番に考えていきましょう。
当事務所が作成している「エンディングノート」や「相続税額の目安」を利用
して財産の状況や、 お母様の気持ちを聞いてみてはいかがでしょうか。
以下に、「エンディングノート」の見本のPDFファイルと「相続税額の目安」
のPDFファイルを用意いたしましたのでご確認ください。
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